CXとは?顧客体験の重要性と向上させるメリット、ポイント

2022年2月4日

国内ではすでに市場の成熟が指摘されており、同業他社との差別化がしにくいことから、顧客離れに悩む企業が少なくありません。
商品・サービス自体に差異が少ない状況において、顧客に魅力を訴求するには、より広く価値を提供していく必要があります。そこで注目されているのが「CX(カスタマーエクスペリエンス)」です。

本記事では、CXの基礎知識をお伝えします。また、CXの重要性や向上させるメリット、施策のポイントまで解説するため、ぜひ参考にしてみてください。

CXとは?

マーケティングで注目される「CX」とは、どのようなことを指すのでしょうか。ここでは、CXの意味や関連する用語との違いなど、基礎知識を解説します。顧客体験向上の取り組みへ向けて、まずはCXの基本を押さえておきましょう。

CXの意味

CXは英語の「Customer Experience(カスタマーエクスペリエンス)」の略語で、日本語に訳すと「顧客体験」という意味になります。
顧客体験とは、商品・サービスの購入前から購入後までを含んだすべての体験を指すマーケティング用語です。商品・サービスそのものの価値に加えて、購入前後の体験まで価値と見なすのが特徴となっています。

たとえば店舗ビジネスの場合は、顧客を案内するスタッフの接客態度、店内の内装やBGMをはじめとした雰囲気、アフターフォローでのやり取りなどの体験も価値と見なされます。
CXを向上させる施策では、自社の商品・サービスに触れる顧客へ魅力ある体験価値を提供し、訴求することが重要視されているのです。

CXと他の用語の違い

  • CXとCSの違い

CSとはCustomer Satisfaction(カスタマーサティスファクション)の略語で、「顧客満足」を意味するマーケティング用語です。
顧客が商品・サービスに対してどの程度満足しているか、満足の度合いを細分化して数値で評価する際に用いられます。
CSの指標では、単なる商品・サービスの売上だけでなく、顧客の感情に重きを置いて自社の現状を把握することが可能です。商品・サービスの満足度を取り扱うCSに対して、CXは体験価値までを含めたサービス全体の満足度を評価する点で異なります。

  • CXとUXの違い

UXとはUser Experience(ユーザーエクスペリエンス)の略語で、「ユーザー体験」を意味するIT用語です。ユーザー体験とは、ユーザーが商品・サービスを使用した際に発生する、あらゆる体験のことを指します。使い勝手や性能といった評価に限らず、使用感や印象なども含む、幅広い経験が含まれます。UXでは、実際に商品・サービスを利用するユーザーを対象とするのが特徴です。一方のCXでは、商品・サービスを利用する前段階にある潜在顧客(リード)まで対象となる点が違いといえます。

  • CXとDXの違い

DXとは、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略語で、主にデジタル化にともなう変革を指すビジネス用語です。英語圏では「trans」を「X」と略することから、略した際にDXと表記されます。
経済産業省が公表した資料によれば、DXは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されています。
表記が似ていることから混同されやすいものの、「顧客体験」を意味するCXとは異なる概念です。ただし、顧客体験はDXによるデジタル技術の活用で向上させやすいという側面もあり、押さえておきたい用語といえます。

CXの改善が重視される背景

ビジネスシーンでCXの改善が重視されるようになった一つの理由として、市場や消費者の変化が挙げられます。近年では、既存のマーケティング手法での顧客離れに悩む企業も少なくありません。戦略立案でCXが活用される背景についてご紹介します。

商品・サービスによる差別化が難しいため

近年、商品・サービス自体の価値を訴求するのみでは競合他社との差別化が難しくなってきています。その理由は、市場が成熟しているためです。
多くのモノが普及した状態にある成熟市場では、成長期の市場のように商品・サービス自体の機能や価格面での差異が少なくなります。こうしたなかで消費者の購入意欲を高め、顧客を獲得するうえで、体験価値による差別化が注目されているのです。

消費行動が多様化したため

インターネットの普及にともない、顧客が求める情報を自由に入手しやすくなり、企業と顧客との接点が多様化しました。
顧客は自身のニーズに最適な商品・サービスをWebサイトやSNSなどで検索し、多数の選択肢を比較検討したうえで購入を決める傾向にあります。そこでファンやリピーターを獲得するには、購入前のフェーズでも顧客の印象に残る経験をさせることが重要です。CX向上が有効と考えられています。

企業がCXを向上させるメリットと注意点

企業がCXを向上させると、以下のさまざまなメリットが期待できます。従来よりも宣伝効果の高い手法を採用できる可能性があります。一方で、CX向上の取り組み方法が不適切な場合、十分な結果を得られないことも。施策を成功へ導くために、注意点も併せて意識しておきましょう。

メリット

  • 顧客ロイヤルティが高まる

CX向上に力を入れると、顧客ロイヤルティが高まるのがメリットです。顧客ロイヤルティ(顧客ロイヤリティ)とは、商品・サービスやブランドに対する顧客の信頼や愛着を意味します。
顧客ロイヤルティの高い顧客は、リピート率や購入単価が高くなる傾向にあることから、マーケティングへの効果が期待されています。
また、企業の売上アップに寄与するリピーターやロイヤルカスタマーの育成にもつながるのが強みです。

  • ブランドzイメージが良くなる

CX向上への取り組みは、自社のブランドイメージにも良い影響をもたらします。商品・サービスの購入過程で価値ある体験をした既存顧客が、ブランドのファンになる可能性があるためです。
ブランドに対する顧客の心理的な価値が向上すると、多くのメリットが期待できます。
ブランド価値が高まるにつれ、競合他社との価格競争から脱却しやすくなったり、長期的な利益獲得につながったりします。

  • 高評価の口コミが広がりやすい

CXが向上して顧客の体験価値が高まると、高評価の口コミが広がりやすくなります。SNSが普及した昨今では、商品・サービスの購入時に価値ある体験をした顧客が、SNSを通して自らの体験を発信するケースが少なくありません。
顧客の口コミによって商品・サービスの認知度が高まる効果が期待できます。さらには、新規顧客の呼び込みなど宣伝効果につながる可能性も考えられるでしょう。

  • 競合他社との差別化を実現しやすい

CX向上で競合他社との差別化を実現できれば、企業は既存顧客を失うリスクを避けやすくなります。
商品・サービス自体の差異が少ないと、同様のものに乗り換えられるおそれがあります。万が一、顧客が競合他社の商品・サービスへと流出した場合、企業は大きな損害を受けることに。
一般的に、新規顧客の獲得にかかるコストは大きいため、既存顧客の維持に努めることが重要です。

注意点

CX向上の施策は、一貫して顧客視点で取り組む必要があります。企業視点での取り組みとならないよう留意しましょう。顧客ニーズを考慮しない施策は、実施しても十分な成果につながらないことも。
よくあるNG事例として挙げられるのは、顧客ニーズのない新機能を取り入れてしまうケースです。
新機能を導入する際は、顧客が本当にその機能を求めているのか、機能によって顧客の利便性が損なわれないかなど、顧客視点で検討すると良いでしょう。

CXを向上させるポイント

企業がCX向上の施策を実行するうえで重要な、考え方や推進のポイントをお伝えします。収集した顧客データを活用し、感覚的に受け入れられやすいアプローチができると理想的です。自社に最適なソリューションを検討しましょう。

顧客情報を徹底的に分析する

自社のCX向上のヒントは、主に顧客データから読み取ることができます。事前に顧客情報を収集し、十分な分析を行ったうえでCX向上の施策を検討しましょう。
顧客データを取得する方法はさまざまです。既存顧客に顧客満足度調査としてインタビューを行い、購入後の満足度をリサーチする方法もあります。
こうした手法で顧客の生の声を入手すると、商品・サービスに対して顧客視点での率直な意見を得られます。回答が効果的な施策策定の参考になるでしょう。

顧客の感情にアプローチする

CXを向上させるには、顧客への感情的なアプローチが有効とされています。たとえば、スタッフの親切心を感じられるカスタマーサポートや、SNSの公式アカウントでの円滑なコミュニケーションなどが挙げられます。
効果的に訴えかけるには、顧客の感情を理解することが大切です。現状の自社の顧客対応でどのような感情が生じ得るのか、顧客目線で見直してみると良いでしょう。
具体的には、コールセンターの問い合わせ対応、購入後のアフターフォロー、SNSでの情報発信などが対象となる例です。

  • デジタルマーケティングと両立させる

最先端のデジタル技術を導入したり、データ活用を推進したりするデジタルマーケティングの施策は、CX向上にもつながります。
CXとデジタルマーケティングの手法を組み合わせることで、新たな顧客体験を提供できる可能性があるため、両立を目指しましょう。
近年では、オムニチャネルでECサイトと店舗の連携を強化したり、AI(人工知能)チャットボットでオンライン接客を行ったりする企業も多くなっています。マーケティングでもテクノロジーを活用してはいかがでしょうか。

CXを向上させる流れ

最後に、企業がCXを向上させる施策の流れを3つの段階に分けて簡単にご紹介します。
その際は、ペルソナやカスタマージャーニーマップなどの手法を用いても良いでしょう。
今後にCXを重視したマーケティングを実現するために、ぜひ参考にしてみてください。

STEP1:目標設定と顧客分析

初めに社内で明確な目標を決め、KPIなどの指標を設定します。併せて、顧客のデータを分析し、CX戦略の立案を行いましょう。その際は、自社の顧客ニーズを踏まえてペルソナやカスタマージャーニーマップを作成すると、効果的な戦略を立てやすくなります。
ペルソナとは自社の架空のユーザー像のことです。また、カスタマージャーニーマップでは、顧客の購買行動を一連の流れで示すことができます。
いずれもマーケティングで用いられる代表的な手法です。

STEP2:CX向上施策の策定・実施

前述のSTEP1で立案した戦略を基にして、より具体的なCX向上施策を策定していきます。
その際は、自社と条件の近い他社の成功事例を参考にしても良いでしょう。
ターゲットとなる顧客には、一人ひとりの趣味嗜好に合わせてパーソナライズされたアプローチを行うことが重要です。準備が整ったら、実際にCX向上施策へ取り組んでいきましょう。

STEP3:施策の振り返りと改善

CX向上施策の実施後は、今後の課題を把握するために必ず振り返りを行います。その際は、「MA(マーケティングオートメーション)」や「CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)」といったマーケティング専用のツールを活用する方法もあります。
ツールに搭載された機能を利用すれば、データ分析の自動化が可能で、効率的な取り組みを後押しできるでしょう。
現状の施策で課題が見つかったら、次回は改善案も検討します。PDCAサイクルを回しながら取り組みを続けてください。

CXを重視したシステム開発を実現するために

今回は、CX(カスタマーエクスペリエンス)の基礎知識をはじめとして、向上させるメリットからポイントまでをお伝えしました。企業がCXを向上させると、顧客ロイヤルティやブランドイメージにも好ましい効果がもたらされます。

CX向上を実現するには、顧客データの分析や、顧客の感情へのアプローチが大切なポイントです。システム開発におけるCX向上では、ベンダーの選び方が重要となります。
CXを重視したシステム開発をご検討の際は、徹底的にヒアリングを行い、エンジニアの提案力に定評があるYAZにご相談ください。

この記事を書いた人

ITコラム部YAZ

YAZ ITコラム部

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