2025年の崖とは?起こるリスクの内容と原因、企業が取るべき対策

2022年1月6日

ニュースや新聞で、「2025年の崖」という言葉を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
ITシステムの老朽化やブラックボックス化を危惧した問題であり、日本企業全体が取り組まなければなりません。
本記事では、経済産業省が発表したDXレポートをもとに、2025年の崖で起こるリスクや原因を紹介します。企業が取るべき対応策もまとめているので、今後のビジネス展開に向けて参考にしてみてください。

「2025年の崖」の基礎知識

近年、注目を集めている「2025年の崖」とは、どのような意味があるのでしょうか。今後の日本社会が直面する問題について解説します。

2025年の崖とは

2025年の崖とは、2018年に経済産業省がDX(デジタルトランスフォーメーション)レポートで取り上げた日本社会が直面する問題を表した言葉です。
今後、日本国内の企業がDX化を実現できない場合、業務効率や競争力が低下するだけでなく、年間最大12兆円の経済損失を生み出す可能性があると予測しています。また、2025年の崖を放置し続けたままにしておくと、情報セキュリティの脆弱化が進行し、外部に情報が漏洩したり、重要な機密データが紛失したりする恐れがあります。
上記の問題を発生しないようにするためには、国内企業におけるIT人材の育成やシステムの刷新を推進しなければなりません。経済産業省によると、2025年の崖を乗り越えることで、2030年には130兆円を超えるほどの実質GDPを達成するチャンスがあると算出しています。

【出典】経済産業省『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』

DXとは

2025年の崖で問題とされている「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは、2004年にスウェーデンのウメオ大学で情報学を研究するエリック・ストルターマン氏が提唱した言葉です。デジタル技術を社会に浸透し、人々の生活をより良いものに変革することを意味します。
また、2018年には経済産業省でも、DXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、企業が競争力を維持・強化するために、ビジネスモデルを変革すること」と定義しました。これまでの日本社会に存在していた価値観を根底から見直し、今後に向けて革新的なイノベーションを目指していくというものです。

2025年の崖が起こる主な原因

2025年の崖は、さまざまな要因から起こるとされています。とくに大きな要因である「基幹システムの老朽化」と「IT人材の不足」をピックアップし、2025年の崖が発生する原因を深堀りします。

基幹システムの老朽化

2025年の崖が起こる要因として、基幹システムの老朽化が挙げられます。DXレポートによると、2025年に、国内企業が運用する基幹システムの約6割が、稼働開始から21年以上経過すると言われています。さらに、大半の基幹システムは、各企業によってカスタマイズされていることから、複雑化・老朽化・ブラックボックス化しているのが現状です。
このように、複雑化・老朽化・ブラックボックス化した基幹システムは、「レガシーシステム」と呼ばれており、構築時の担当者がいないため、既存システムの問題点を把握しにくい点や、維持管理が難しい点が課題となっています。最終的に、システムの実用耐用年数を超えると、セキュリティリスクが高まったり、維持コストが増加したりする可能性があります。

IT人材の不足

2025年の崖が起こる2つ目の要因は、IT人材の不足です。従来の基幹システムを管理できる多くのIT人材が、今後10年間に渡って定年退職を迎えることから、社内で担当するIT人材が枯渇する恐れがあります。また、ベンダー企業が優秀なエンジニアを確保している状況もあり、ユーザー企業では慢性的なIT人材の不足が目立つようになりました。
ユーザーが企業でIT人材が不足していくことで、社内でのセキュリティトラブルや、災害発生時のシステム復旧が難航するなどのリスクが発生します。さらに、ビックデータやAI、IoTに関するノウハウを身に付けている人材も不足していることから、ビジネスモデルの変革も難しくなります。

企業が2025年の崖のリスクを避ける主な対策

企業経営にも影響しかねない2025年の崖ですが、どのように回避すればよいのでしょうか。企業が2025年の崖のリスクを回避するための対策方法を5つ紹介します。

基幹システムの刷新に取り組む

1つ目の対策方法は、企業でレガシー化した基幹システムを刷新することです。具体的には、今後のDX化推進に向けて、クラウド上での管理を可能にするほか、管理者を選ばないように、使いやすいUIに切り替えるといった取り組みが挙げられます。
ただし、基幹システムの刷新には、一定のコストと期間が必要である点に注意しなければなりません。経済産業省のDXレポートによると、下記のとおり、業界別で費用や期間が異なります。

・運輸業:7年間で800億円をかけて刷新
・食品業:8年間で300億円をかけて刷新
・保険業:4~5年で300億円かけて刷新

【出典】経済産業省『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』

IT人材の採用・育成を強化する

日本全体でIT人材が枯渇しているなかで、自社でIT人材の採用や育成を強化する必要もあります。既存の基幹システムを刷新する仕事や、システムの保守・点検、社内でシステムトラブルが発生した際の対応など、幅広い業務をこなせるIT人材を採用します。
また、DX化に向けての理念やビジョンを理解することも重要なポイントです。トップダウンでDX化を進めるためにも、全社が共通の目標を持てるようにしましょう。

DX推進指標を用いて自己診断を行う

DX推進指標とは、DX化推進における企業の課題を自己診断するために、2019年7月に経済産業省が公開した指標です。9つのキークエスチョンとサブクエスチョンから構成されており、DX化を進めるうえで、自社の課題を把握・共有することができます。

【出典】経済産業省『デジタル経営改革のための評価指標(「DX推進指標」)を取りまとめました』

デジタル技術を活用した新規事業を創出する

2025年の崖のリスクを回避するためには、デジタル技術を活かした新規事業の創出が重要です。ビックデータやAI、IoT分野における新しいビジネスモデルが誕生しているなかで、競合他社に追従しながら、DX化を拡大していく必要があります。
また、新規事業を創出する際には、デジタル技術によって、既存事業を変革していくことも検討してみましょう。自社の既存事業をデジタル技術で変革することで、DX化への推進にもつながります。

市場の変化に即応可能な体制を整える

市場の変化に即応できる体制を整えないと、2025年の崖の影響を受ける可能性も高まります。既存のレガシーシステムのままでは、あらゆるデータを集約・共有できず、新たなビジネス展開が難しくなるためです。
慣れ親しんだシステムを取り替えることは、高額なコストの発生や、仕事のやり方が変わることから、決して簡単なものではありません。しかし、今後も変化を続ける市場に対応するためにも、システム刷新への投資を積極的に行い、デジタル競争に打ち勝つ必要があります。

新たな基幹システムの構築で2025年の崖を克服

2025年の崖を放置したままにすると、情報セキュリティのリスクが発生するほか、今後のビジネス展開にも悪影響を及ぼしかねません。
老朽化・ブラックボックス化した既存の基幹システムを刷新し、全社でDX化を推進してみましょう。
基幹システムの開発・導入を新たにご検討される場合には、豊富な実績を持つYAZまでご相談ください。

この記事を書いた人

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YAZ ITコラム部

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