ビッグデータとは?特徴やIoT・AIとの関連性、ビジネスでの活用例

2022年2月4日

政府主導のDX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)推進施策を受け、近年はビッグデータの利活用が注目されています。
ビッグデータとは、テキスト・画像・音声・動画などを含めた、膨大なデータ群のことです。
従来は技術的な問題からビッグデータ活用が難しかったものの、テクノロジーの進化にともないビジネスシーンでの可能性が注目されるようになりました。
本記事では、ビッグデータの特徴、関連性の高いテクノロジーの詳細、さまざまな業種における活用事例などを解説します。

ビッグデータの基礎知識

ここでは、ビッグデータの特徴や活用方法、関連性の高いテクノロジーの種類について解説します。言葉の意味を含む基礎的な部分をおさらいし、ビッグデータへの理解を深めましょう。

ビッグデータとは?

ビッグデータ(big data)とは、データ量を示す「Volume」、データの種類を表す「Variety」、データの更新頻度・発生頻度を示す「Velocity」の3要素からなる、巨大なデータ群のことです。
ITテクノロジーの進展にともない、これまで困難とされていた非構造化データの収集と格納、活用が可能になりました。
さらに、新たにIoTやAIが登場すると、デジタル化が進み状況は一変。政府によるDX推進施策も始まり、ビッグデータのビジネス活用が盛んとなりました。

なお、DXとはデジタルトランスフォーメーションの略称であり、ビッグデータと関係性のある施策です。
経済産業省では「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義。多くの企業がデータ利活用の取り組みを始めています。

【出典】経済産業省「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX 推進ガイドライン)Ver.1.0」

ビッグデータと関連性の高い技術

  • IoT

IoTは「Internet of Things」の略語であり、「モノのインターネット」を意味します。ネットワークを介し、パソコンやスマートフォン、サーバー、家電といった「モノ」同士の相互通信を可能にする技術です。たとえば、内蔵カメラで遠隔モニタリングを行ったり、センサーで外気温や湿度、天候などの情報を測定・収集したりできます。
これらのデバイスで収集したデータが、ビッグデータとして提供されることで、今後の活用の可能性が広がります。

  • AI

AIとは「人工知能」のことで、人間の思考プロセスや意思決定をコンピューターで再現するテクノロジーを指します。
その多くは「特化型AI」と呼ばれるもので、スマートフォンなどの音声認識や画像認識機能が代表的です。
さらに自動車の自動運転技術、AIを用いた医療支援など、あらゆる業種でAIの実用化が進められています。
将来的には、判断精度を人間以上に高めたり、自律的に学習・思考できたりする「汎用AI」の登場が期待されています。
AIは単純かつ反復的な作業が得意です。その学習アルゴリズムは「ディープラーニング」と「機械学習」の2種類に大別されますが、いずれも読み込みやアクセス可能なサンプル数に比例して、作業精度が高まります。たとえば、ビッグデータとAIの機械学習やディープラーニングを組み合わせることで、規則性を持たないデータに規則性を見いだすアプローチが可能です。

IoTやAIを用いたビッグデータの活用方法

ビッグデータの活用において、IoT・AIといった先端テクノロジーは欠かせません。ここでは、ビッグデータの具体的な活用方法やIoT・AIの役割を解説します。

IoTを用いたビッグデータの活用方法

ビッグデータの活用を前提とした場合、IoTはデータ収集で重要な役割を担います。たとえば、カメラやセンターが搭載されたIoT機器で各種データを自動収集し、自社サーバーなどに送信。リアルタイム性のあるデータを常時収集することで、ビッグデータが自動生成されていきます。
IoTの普及にともない、企業は膨大な量の非構造化データを保有できるようになりました。非構造化データとは、テキスト・画像・音声・動画といったネイティブ形式のデータの総称です。たとえば、企画書や提案書、見積もり書などのpdf資料、新製品のデザインデータ、IoT機器などが取得するセンサーログなどは、いずれも非構造化データに含まれます。なお、ビッグデータを形成するデータの種類は、列・行などで定義されている構造化データが2割、非構造化データが8割とされます。
非構造化データの活用により、業務効率化や企業競争向上、既存顧客におけるLTV(顧客生涯価値)の向上につながると考えられています。しかし、列や行で定義されていない以上、非構造化データのデータベース化は困難です。しかし、IoTや後述するAIの登場で、企業におけるビッグデータの活用ハードルが下がりました。IoTテクノロジーが進化しなければ、ビッグデータの構築およびビジネス活用は難しかったといわれています。

AIを用いたビッグデータの活用方法

AIは、IoT機器が収集したビッグデータデータの分析や処理に活用されます。大量のデータ処理をマンパワーのみで行う分析方法には限界があり、これは過去にビッグデータのビジネス活用を困難にさせていた要因の一つでもありました。長時間にわたって稼働でき、大容量のデジタルデータを高速で処理できるAIは、ビッグデータを扱う際に欠かせない存在です。
近年は条件を指定するだけで、AIが該当データを自動的に抽出・分析・提示する、AI搭載型のデータ解析ツールも登場しました。企業の営業部門やマーケティング部門などで運用されています。

ビジネスでビッグデータを活用するためのデータドリブンとは?

ビジネスでビッグデータを活用する場合、組織の仕組みを変える必要があることも。ここでは、企業におけるビッグデータの利活用に欠かせない業務プロセス、「データドリブン」について解説します。

データドリブンの意味

データドリブンとは、企業または組織における意思決定を、データに基づいて実施する業務プロセスの一種です。製造業を中心に浸透している「KKD法(勘・経験・度胸)」とは正反対の手法で、主にマーケティング領域で実践されています。
データドリブンでは、課題解決や施策・立案に向けたアクションを、蓄積されたビッグデータの分析結果に基づいて行うのが特徴です。DX時代と呼ばれる近年では、ビッグデータの活用に社内のデータドリブン化が欠かません。

企業がデータドリブン化する流れ

  • STEP1:データの収集

データドリブン化の第一歩は、データ収集から始まります。まずは課題解決・意思決定・マーケティングなど、目的に応じてデータを収集および統合し、ビッグデータを形成することが必要です。社内のCDP(カスタマーデータプラットフォーム)やCRM(顧客管理システム)、POSシステム(販売時点情報管理システム)などからデータを抽出し、格納します。
複数の社内システムを同時運用している場合は、MA(マーケティングオートメーション)やDWH(データウェアハウス)など、データ収集・管理にツールやAI搭載型の基幹システムを用いるのが一般的です。社内に分散するデータを一元管理する仕組みを用意しましょう。

  • STEP2:データの可視化

ビッグデータには多種多様な非構造化データが含まれるため、収集データを可視化する仕組みが必要です。全体を可視化することで、その都度必要なデータのみを抽出できるようになります。本プロセスには、主にDMP(データマネジメントプラットフォーム)やWEB解析ツール、BIツール(ビジネスインテリジェンス)が用いられます。

  • STEP3:データの分析

前述のプロセスで収集・統合し、可視化したデータを分析します。課題解決や意思決定の判断材料とする場合、データアナリストやデータサイエンティストなどのDX人材を配置できると理想的です。データ分析の結果をもとに、確度の高いアクションプランを提案できるほか、社内手続きの迅速化や業務効率化が期待できます。

  • STEP4:施策の立案・実行・改善

分析したデータをもとに、アクションプランを実行します。課題を改善・解決しつつ、PDCAサイクルを回して施策の精度を高めていきます。
この段階で重要なのは、組織単位で施策を実行に移すことです。過去にKKD法で成果をあげてきた経営者や上層部は、データによる意思決定の経験が少ないことも珍しくありません。しかし、デジタルマーケティングが主流の昨今では、データドリブン経営の重要性をマネジメント層が理解し、実行に移せるリーダーとなる人材の確保が求められます。
ビッグデータの活用にはIoTやAIが不可欠です。しかし、データから答えを導いたり、意思決定を下したりするのは組織の人間にほかなりません。本格的に社内のデータドリブン化を図るならば、ツールやシステムの導入だけでなく、人材確保にも力を入れましょう。

ビッグデータを活用している主な業種

ここでは、ビッグデータ活用が進んでいる主な業種をご紹介します。なかでも農業や製造業など、従来はKKD経営が主流であった業種の活用例にご注目ください。

農業

IoT機器とAIを活用した「スマート農業」を筆頭に、農業分野におけるビッグデータの利活用が加速しています。たとえば、気象データから直近の天候を予測し、生産計画をAIが提案。これまで農家の勘や経験で行われてきた作物生産を、科学的根拠に基づくデータで管理します。
また、IoT機器のカメラやセンサーで生育情報を可視化し、水やりや肥料まきを自動化することも可能です。農作物管理の負担を減らしつつ、安定的な生産を実現します。

教育・学習支援業

教育・学習支援業では、生徒の学習データを収集・分析し、学習支援に活用しています。
具体的には、AIが生徒一人ひとりの学習データを分析し、苦手教科の克服に特化した、パーソナライズ化された問題を提案。ICT教育で、効率的な学びをサポートしています。

製造業

製造業においては、製品の品質管理や生産性向上にIoT機器が利用されています。たとえば、カメラを使った遠隔地からのモニタリングです。本部から全国の生産工場をカメラ・センサーでチェックし、加増状況を常時チェックしています。
また、製造ラインで発生した不良品をAIが画像認識で瞬時に特定し、製造ラインから自動的に取り除くシステムも注目です。不良品判定には、ビッグデータが活用されています。

ビッグデータの活用が自社のDX促進につながる

自社のDX促進を図るため、ビッグデータに注目する企業が多く、ビッグデータを使う仕組みの用意や専任人材の確保が急務とされます。
社内に蓄積されたビッグデータの活用は、インフラ構築・データベース制作や各種ソリューション開発実績が豊富なYAZにご相談ください。
お客様のデータ管理状況など、DXに精通する弊社スタッフが丁寧にヒアリングし、最適なプランをご提案いたします。

【出典】経済産業省「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX 推進ガイドライン)Ver.1.0」

 

この記事を書いた人

ITコラム部YAZ

YAZ ITコラム部

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