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ITコラム 初級編

UXの基礎知識|改善で見直すべき要素と向上のためのポイントは?

2022年2月4日

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自社の商品・サービスを購入するユーザーに、他にはない魅力的な体験をしてもらうことが、競合との差別化につながります。消費者のライフスタイルが変化し、市場の成熟が危惧される昨今、企業のマーケティング施策の一環として注目されているのが「UX(ユーザーエクスペリエンス)」の考え方です。UXをテーマにしたセミナーも多く開催されています。

本記事では、UXの基礎知識をお伝えします。また、UXの改善で見直すべき要素や、UX向上を実現するポイントにも触れるため、ぜひ参考にしてみてください。

UXの基礎知識

近年のマーケティング施策では、ユーザーのために特別な経験を用意し、商品・サービス以外の側面でも満足感を高めることが重視されています。初めに、ビジネスシーンで認知度を高める「UX」の基礎知識をお伝えします。

UXとは?

UXとは、User Experience(ユーザーエクスペリエンス)の略称で、「ユーザー体験」を意味する言葉です。ユーザーの顧客体験を評価する際に用いられます。顧客体験とは、顧客が商品・サービスを購入する前から購入後にいたるまでの体験を指す概念です。商品・サービスそのものの価値に加えて、購入前後の体験まで価値と見なすのが特徴となっています。

UXに関連する職種として、「UXデザイナー」や「アートディレクター」などが挙げられます。UXデザイナーは、商品・サービスのUXを設計する仕事で、一般的なデザイナーと比較して広範囲のデザインを担います。アートディレクターは、UXを含むデザイン面の指揮を担う責任者です。デザイナーやカメラマンなどのメンバーへ指示を出し、制作物のデザインを完成形へと導きます。

UXとUIの違い

UIとは、User Interface(ユーザーインターフェース)の略語で、ユーザーと商品・サービスの接点を意味します。ユーザーがプロダクトと触れ合う場面における、デザイン性や操作性などがUIに該当します。たとえばWebサイトの場合、メニューの位置、フォントの大きさ、資料請求の文言などです。UXがユーザー体験の全体を指すのに対して、UIはUXを向上させるための一つの要素に過ぎません。

UXの重要性

ビジネスシーンでUXが重視される背景として、商品・サービス自体の機能や価格面での差別化が難しくなった状況が挙げられます。市場の成熟にともない、商品・サービス自体の機能や価格面での差異が少なくなりました。そのため、今後は顧客に価値ある体験を提供する商品・サービスが売れる時代になると考えられています。また、近年では商品・サービスの開発においても、人間中心設計が採用されるケースが多くなりました。人間中心設計とは、商品を使用するユーザー(人間)にとっての使いやすさに焦点を当てた設計のことです。従来は技術先行型の設計が採用されるのが一般的でしたが、ユーザビリティを重視した開発へと変化したことで、UXの注目度が高まっています。

見出し2:UXの改善時に見直すべき要素

UX向上の施策では、自社の顧客体験におけるどの点に見直しが必要でしょうか。ここでは、UX改善で見直すべき要素や、UX戦略で意識したいことについて解説します。

付加価値

自社の商品・サービスに魅力的な顧客体験の提供につながる付加価値があるか確認しましょう。たとえば、「他社よりもストレスなく情報を探しやすい」「説明が充実しており購入時に安心感を得られる」といった形です。商品・サービス自体に加えて、他にはない付加価値を与えることで、競合他社との差別化が期待できます。その際は、機能や価格以外での魅力を訴求できると望ましいでしょう。機能面や価格面は、技術力・サービス力の高度化により差異がなくなり均質化していく「コモディティ化」が起こりやすくなります。

視認性

デザインの表示が見やすく、初めて利用するユーザーであっても情報を迅速かつ正確に把握できるか確認します。配色やレイアウトなどのスタイルを調整することで、Webサイトやアプリ画面の視認性を高められます。たとえばWebサイト改善では、メニューの位置やボタンの色など全体のルールを設定し統一する方法、重要な部分のフォントを強調してメリハリをつける方法などが有効です。また、ペルソナに合わせてデザインするのも重要といえます。50代向けの商品・サービスを例とする場合、文字を大きくして行間を詰め過ぎないデザインにすると、視認性が高まりユーザーが快適に利用しやすくなるでしょう。

使用感

自社の商品・サービスの使用感は、ユーザーに快適な体験をもたらしているでしょうか。まず見直したいのが導線設計です。ユーザーが目的を達成するうえで、動作に支障が発生していないか確認しましょう。操作が簡単で手間が少なく、使い心地の良い状態が理想的です。そのためにも、実際に自分で使用した印象をチェックするようおすすめします。

信頼性

近年では、各種オンラインサービスの普及にともない、スマートフォンユーザーを狙ったサイバー犯罪の事例が急増しています。そのため、多くのユーザーはWebサイトやアプリの利用にあたり、サービスの信頼性を重視する傾向にあります。UXにおいても、ユーザーの安心につながる情報提供を行うことが大切です。自社の信頼性を伝えるとともに、安全性に配慮してサービスを提供しましょう。

見出し3:UXの向上を実現するためのポイント

UX向上を実現するために、取り組みの際は以下のポイントを参考にしてみてください。社内の協力体制を充実させ、ユーザーにさらなる上質な体験を提供できると理想的です。

ユーザーに対する理解を深める

自社商品・サービスのユーザーを詳細にイメージしましょう。年齢・性別といった属性や利用シーンにより、商品・サービスに求めるものが異なってくるためです。
ユーザーの特徴や用途により、必要な機能や適切なグレードなどが異なります。
ターゲットを明確にしてニーズに適した商品・サービスを展開すると、UX向上に加えて顧客満足感を高めることにもつながります。

ユーザー体験を検証する

ユーザー体験の検証には、カスタマージャーニーマップを活用すると良いでしょう。
カスタマージャーニーマップとは、仮想ユーザー(ペルソナ)の行動や感情のモデルを時系列で表したものです。
また、ユーザーテストを行う方法もあります。ユーザーテストは、仮想ユーザーにプロダクトを評価してもらう手法のこと。
開発の時点で仮説を検証したり、課題を発見したりできるのがメリットです。開発後の大幅な修正を減らすことで、UX向上のほかコスト削減にも寄与します。

開発者の連携を強化する

UX向上に取り組む社内では、開発者間のコミュニケーションを充実させ、互いに協力できる体制を構築するのが望ましいでしょう。
UXを向上させるには、課題発見と改善の取り組みを着実に繰り返すことが重要になるためです。
明確なゴールへ向けて、チームの目的やプロダクトで実現すべきことなどを共有すると、UXの方向性にブレが生じるのを防ぎやすくなります。

見出し4:ベンダーと連携し、UXを重視したシステム開発を

ここまでUXの基礎知識や、改善へ向けたポイントなどを解説しました。他社との差別化をはかり、ユーザーから選ばれる商品・サービスとなるために欠かせないUX。
システム開発では、信頼できるベンダーと連携し、UXを重視しながらプロダクトを作ることが重要です。

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