ECサイトの作り方とは?主な流れと3つの構築方法のメリット・デメリット

2022年1月6日

消費者行動の変化に伴い、実店舗からネットショップを利用した購買が一般的となりつつあります。
楽天市場やYahoo!ショッピング、ZOZOTOWNのような大手のショッピングモールに出店することも可能ですが、自社独自のECサイトを構築するのもおすすめです。
そこで、一からECサイトを構築してみたい方向けに、制作手順や作り方の種類を解説します。各構築方法のメリット・デメリット、注意点をまとめているので、ECサイトの売上アップに向けて参考にしてみましょう。

ECサイトを作る流れ

ECサイトを開設するには、どのようなステップで進めればよいのでしょうか。ネットショップ開業に向けて、コンセプトの作成から、実際にリリースするまでの制作手順を下記の通り説明します。

STEP1:コンセプトの作成

最初に、ECサイトのコンセプトを作成します。コンセプトとは、どのようなECサイトを作成するのか、ECサイトを立ち上げる目的などを明確にすることです。ECサイトの基礎となる部分で、成功に欠かせません。
たとえば、「法人企業向けにBtoBのECサイトを作りたい」、「海外への販促を目指すたに、越境ECを立ち上げたい」といったコンセプトを決めます。また、ECサイトに必要な機能を洗い出したうえで、予算を準備しておきましょう。

STEP2:作成方法、プラットフォームの選定

コンセプトを決めたあとは、ECサイトの作成方法と、プラットフォームを選定します。どのサービスを利用し、ECサイトを構築するのかを決定していきます。
ここでは、必要な機能や、デザインといった要件定義に基づき、慎重にプラットフォームを選定しなければなりません。選定したプラットフォームが要件を満たしていないと、後々大幅な修正が発生する可能性があります。可能であれば、カスタマイズ可能なプラットフォームを選択しましょう。

STEP3:デザインの設計

ECサイトに訪問するユーザーが使いやすいように、念入りにデザインを設計することも大切です。商品の見え方や、購入・決済方法の案内、カートの位置など、不便なくECサイトを利用できるデザインを設計しましょう。

STEP4:商品の登録

ECサイトを作成したあとは、販売する商品を登録します。ほかにも、商品名、商品価格、商品の在庫数などの登録も必要です。
商品登録では、ユーザー購入したいと思えるような、商品写真や説明文を準備することが重要です。予算に余裕があれば、プロのカメラマンやライターへの依頼も検討してみてください。

STEP5:テスト

実際にECサイトの運用を開始する前に、テストの実施を忘れないようにしましょう。自社従業員やユーザー数を制限してECサイトを利用し、不具合がないかをチェックします。
とくに、ECサイトでは、決済サービスが機能しているかをチェックしましょう。クレジット決済でトラブルが起きないかを調べ、買い物客に不便をかけないように注意します。
また、テストを実施するのと同時に、カスタマーサポートを整えます。トラブルが発生した場合も想定し、自社スタッフのトレーニングも実施します。

STEP6:リリース

テストを実施した結果、ECサイトに不具合が見つからなければ、運用を開始します。InstagramやTwitterといったSNS、WEB広告などでブランディングを強化しながら、ECサイトへの集客を進めましょう。新規顧客だけでなく、リピーターを増やせるように、継続的な集客活動が必要です。

ECサイトの作り方の主な種類

ECサイトを作成する際には、さまざまな種類から選ぶこととなります。ここでは、「ASP」、「ECパッケージ」、「フルスクラッチ」の3つを徹底比較します。

ASP

1つ目は、ASPです。「Application Service Provider」を略したもので、ECサイトの構築、および運営に必要な機能を、インターネットを介して手軽に利用できるサービスです。
一般的に、ECサイトは、数年のスパンでシステム自体が陳腐化すると言われていますが、ASPは、常に最新の状態にアップデートしながら利用できます。
また、ASPの類似サービスに、「SaaS」があり、以下のように分けられます。

・ASP:顧客1人に対して1つのサーバーや機能を提供する「シングルテナント方式」を採用
・SaaS:複数の顧客が1つのサーバーや機能を共同利用する「マルチテナント方式」を採用

ECパッケージ

ECパッケージとは、ECサイトを構築するために必要な機能を搭載したパッケージソフトウェアのことです。自社従業員のパソコンにソフトウェアをダウンロードし、要件定義に基づいて、個別にカスタマイズを行えます。
上記で解説したASPよりも拡張性が高いのが特徴で、独自のECサイトを構築する際に便利です。なお、インターネットを介して、ECパッケージを利用するクラウドサービスを「クラウドEC」と呼んでおり、ASPとECパッケージのメリットを両方兼ね備えています。また、パッケージ型だと自社でレンタルサーバーを準備する必要がありますが、クラウドECであれば、サーバーの設置も不要です。

フルスクラッチ

3つ目のフルスクラッチは、既存のパッケージやプログラムを使用せず、フルオーダーでECサイトを構築する方法です。ECサイトを一から設計するため、自由度が高く、消費者に魅力的なECサイトを作成できます。
ただし、制作コストや時間を要するのが難点です。さらに、自社でシステムを内製化し、保守・運用も管理しなければなりません。プログラミングやシステムに関する専門的な知識を持つ人材が必要とされることから、十分な資金を確保できる大手企業向けと言われています。

ECサイトの作り方を選ぶ基準

それでは、ECサイトを構築する際に、どの種類を利用すればよいのでしょうか。現在のEC事業の売り上げ規模を目安に、構築手法から適切な方法を選択しましょう。

EC事業の年商1億円未満の場合

EC事業が、年商1億円未満の場合には、ASPを利用してECサイトの構築をおすすめします。年商1億円未満の規模は、EC業界でも比較的小規模であり、社内に十分なノウハウが蓄積されていない可能性があるためです。
新たに専門的な知識を備えた人材を採用して、複雑な方法でECサイトを構築するよりも、簡単に構築・管理できるASPが適しています。ECサイトの運営に慣れていない担当者でも取り組みやすく、複雑性がないことから、業務に専念できます。

EC事業の年商1億円以上50億円未満の場合

EC事業の年商が1億円以上50億円未満の規模であれば、ECパッケージでECサイトの構築を検討してみてください。EC業界のなかでも、安定した売上を維持していることから、ECサイト構築に余裕を持って取り組めます。
とはいえ、十分な人員を確保できていない場合、受発注処理や、決済サービス、その他システム運用などのバックグラウンド業務を、一括で行うことは難しい可能性があります。そこで、システム開発会社やECベンダーなどに発注し、自社向けにカスタマイズしたECサイトを構築するのがおすすめです。ECサイト構築時に、自社の基幹システムや顧客管理システム(CRM)と連携しておけば、ECサイト運営の負担を軽減できます。

EC事業の年商50億円以上の場合

EC事業の年商が50億を超えるような規模の大きいケースの場合、フルスクラッチでのECサイト構築を視野に入れてみましょう。ASPやECパッケージでは対応しきれないような、独自性の高いECサイトを立ち上げられます。
また、フルスクラッチは、自由にカスタマイズできることから、拡張性にも優れており、ビジネスモデルの変化にも対応します。ただし、高額な初期費用・ランニングコストといった構築費用に加え、実際に構築するまでに一定の制作期間を要する点に注意が必要です。

ECサイトをASPで作るメリット・デメリット

ECサイトの初心者でも気軽に構築できるASPには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。メリットとデメリットをそれぞれ3つ紹介します。

ASPのメリット

  • 必要な機能が揃っている

ASPを利用する1つ目のメリットは、EC事業を展開するのに必要な機能が一通り揃っている点です。在庫管理・受発注処理・決済機能といった基本機能が網羅されており、事前に準備をする手間を省けます。
また、ASPはクラウドサービスであるため、ソフトウェアをパソコンにインストールする必要がありません。サーバーの設置も不要で、インターネット環境があれば、どこでもECサイトを運用できます。

  • 初期費用やランニングコストの負担が少ない

2つ目のメリットは、初期費用や月額費用といった費用面での負担が少ないことです。自社でECサイトを一から開発・構築する必要がなく、コストを抑えられます。
フルスクラッチでECサイトを構築する際には、数千万円〜数億円に及ぶこともありますが、ASPは初期費用が無料のサービスも多く、月額数千円から始められます。なかには、初期費用を無料にしているサービスもあり、コストをなるべく抑えたい方におすすめです。

  • 担当者に専門知識がなくても運用できる

ASPであれば、EC担当者が専門的な技術力を備える必要もありません。仮に、一からECサイトを構築する場合、HTML・CSS・PHPといったプログラミングスキルや、システムの管理、ECサイト運用における深い知見が求められます。
一方で、ASPは、初心者でも直感的にわかりやすく設計されているほか、管理方法のマニュアルも用意されています。そのため、人材採用のコスト削減や業務フローの簡素化につながります。

ASPのデメリット

  • カスタマイズ性が低い

ASPは、カスタマイズ性能が低い点にデメリットを感じる可能性があります。基本的に、既存のテンプレートから選択するため、同じASPを利用する競合他社との差別化が難しいです。
とくに、機能面は、自社で作り込めない仕様であることが多く、実際に運用を開始してから、使いにくい部分も生じます。カスタマイズ性を重視する方は、テンプレートの編集や、充実した選択肢を提供しているASPを選ぶことも検討しましょう。

  • システムによりASPと連携できない場合がある

ASPを選ぶ際には、外部サービスとの連携が制限されている点に注意が必要です。たとえば、これまで使っていたマーケティングオートメーションツール(MA)や顧客管理システム(CRM)といったツールのシステム連携が不可能である場合があります。
外部サービスとの連携ができないと、業務効率の低下や、売上が伸びない事態につながります。引き続きASPでも外部サービスを活用したい方は、導入前に連携に対応しているかを確認しておきましょう。

  • 事業規模の拡大へ対応しにくい

ECサイト事業を続けているなかで、徐々に事業規模が大きくなることがあります。しかし、ASPでは、拡張性にも制限があることから、事業規模の拡大に対応しにくい点がデメリットです。
事業規模が大きくなっているのにも関わらず、EC事業開始当初のASPで運用していると、自社での負担が増加し、トラブルが生じる可能性もあります。事業規模の様子を見ながら、ASPからECパッケージやフルスクラッチに切り替えることも想定しておきましょう。

ECサイトをECパッケージで作るメリット・デメリット

ECサイトをECパッケージで構築する際にも、メリット・デメリットがあります。ECパッケージを導入する前に、メリットとデメリットを確認しておきます。

ECパッケージのメリット

  • 自社独自のECサイトを構築できる

ECパッケージのメリットは、独自のECサイトを構築できることです。ASPと比較して、拡張性に優れていることから、自由度の高いデザインや機能を備えられます。
競合他社との差別化を図るのにも適しており、自社のブランドイメージや商品コンセプトを反映するのにも便利です。既存の機能も充実している場合が多く、ECサイトの運用にかかる負担を軽減できます。

  • 中規模~大規模のEC事業にも対応できる

ECパッケージは、中規模〜大規模のEC事業に向いています。構築時のサポート体制が充実しているほか、EC事業が初めての方でも運用しやすいように設計されており、中規模以上のECサイト構築に適しています。
また、ECパッケージには、EC事業を運用する上で必要な機能を網羅していることから、フルスクラッチに近いシステムを実現できます。クラウドECパッケージを利用すれば、常に最新の状態にアップデートされるため、システムが古くなることもありません。

  • フルスクラッチよりも短期間で導入できる

機能性やカスタマイズ性に優れているECパッケージですが、スクラッチよりも短期間での導入が可能です。ソフトウェアをパソコンにインストールすればよいため、一からECサイトを構築する必要がありません。
さらに、ECパッケージであれば、既存の基幹システムや外部サービスとの連携にも対応しています。現場の労力を最小限に抑えながら、フルスクラッチにも劣らない自由度の高いECサイトを構築できます。

ECパッケージのデメリット

  • 導入や運用にかかる費用が割高になりやすい

ECパッケージを利用する際には、初期費用やランニングコストが割高になりやすい点に注意しましょう。無料で使えるオープンソースとは異なり、有料のECパッケージの相場は、初期費用が100万円〜と高額に設定されています。
EC事業で一定の年商を達成していない場合、ECパッケージを利用すると、十分な費用対効果を得られない可能性があります。さらに、必要に応じて、オプションサービスの追加料金も発生することから、中長期的な視点を持って導入を検討することが大切です。

  • 年月の経過によりシステムが陳腐化するおそれがある

ECパッケージは、システムを最新の状態に保てないデメリットがあります。システムのアップデートが繰り返されるごとに、自社でカスタマイズした部分が、正常に動作しなくなる恐れがあるためです。システムの陳腐化が不安な方は、5年程度を目安にECサイトをリニューアルするか、クラウドECパッケージの利用をおすすめします。

  • ベンダー側のサポート体制を重視する必要がある

ECパッケージを使ってECサイトを構築する場合には、ベンダー側企業のサポート体制も重視しましょう。サポート体制に不備があると、システム障害が発生したときに、ECサイトの運営を一時的にストップする必要も出てきます。
ECパッケージを導入する前に、ベンダー企業のサポート体制に関する相談機会を設けることが重要です。ECパッケージの中身だけでなく、管理するベンダー企業のサポート体制も比較してみてください。

ECサイトをフルスクラッチで作るメリット・デメリット

ASPやECパッケージと同様に、フルスクラッチのメリット・デメリットについても解説します。それぞれのポイントを押さえた上で、フルスクラッチを選定するか検討しましょう。

フルスクラッチのメリット

  • ECサイト構築時の制限が少ない

フルスクラッチのメリットは、自由度の高いカスタマイズ性です。ASPやECパッケージと比較して、デザイン・機能面の制限が少なく、理想的なサイトを作ることができます。
また、拡張性にも優れていることから、外部サービスとの連携にも対応しています。ECサイトを通して、自社のブランド全面に伝えたいという方は、フルスクラッチを活用してみましょう。

  • 構築後は長期間にわたる運用ができる

フルスクラッチは、ECサイトを構築したあとも、長期にわたって運用が可能です。システムによっては、事業規模に応じて機能を追加したり、運用途中でデザインを変更したりするのが難しいことがあります。
フルスクラッチであれば、現状の規模に合わせて運用するだけでなく、将来的に事業が拡大した場合でも、フレキシブルに対応できます。今後の事業展開を見据えて、ECパッケージではなく、フルスクラッチの選択も検討してみてください。

  • 社内でメンテナンスや変更などに対応できる

フルスクラッチでECサイトを構築する場合、基本的に設計から運用まで社内で担当することとなります。ECサイトのシステムを十分に理解しているため、トラブルが発生したときのメンテナンス実施や、運用変更時のすみやかな対応も可能です。
ECサイトの改修作業が必要になった場合でも、構築時のノウハウが身に付いていることから、時間をかけずに作業を進められます。このように、フルスクラッチは、企業の財産としてECサイトを永続的に残すのにも適しています。

フルスクラッチのデメリット

  • システムの品質がベンダーの技量に左右されやすい

フルスクラッチでECサイトを構築する際には、ベンダー業者の経験や技量に左右されやすい点に注意が必要です。フルスクラッチ開発業務を外注する場合、品質に問題があっても、他社ベンダーに乗り換えにくいのがデメリットです。
ベンダーを選ぶ際には、契約時に社内で検討したうえで、信頼できる取引先を選定することが大事です。ECサイトの品質低下や、運用中の失敗を防ぐためにも、高度な知識とスキルを持つ人材が求められます。

  • 構築や運用のため専任のIT人材を確保する必要がある

フルスクラッチでECサイトの構築や運用するためには、エンジニアやプログラマーなどのIT人材を確保しなければなりません。ベンダー企業に外注することも可能ですが、高額なコストやリスクが伴うほか、PDCAサイクルにも影響します。
しかし、社会的にIT人材が不足しているなかで、自社で人材を確保するのにコストや時間がかかる恐れがあります。早い段階で採用活動を進めることや、自社従業員の育成環境を整えましょう。

  • システムがブラックボックス化するリスクがある

社内でECサイトを一から構築すると、ブラックボックス化するリスクがあります。構築を担当した人物しか情報を把握できず、システムの保守・点検や、ECサイト運用の引き継ぎ時にトラブルが発生します。とくに、セキュリティ対策を疎かにすることで、第三者から攻撃を受けるリスクも高まります。
ブラックボックス化を防ぐためにも、構築時の仕様をドキュメントで残し、社内で共有できるような体制を整えることが大切です。

ECサイトの作り方を把握し適切な方法で構築

ECサイトを構築するには、作り方や種類を調べることから始まります。
今回紹介したASP、ECパッケージ、フルスクラッチのメリット・デメリットを把握し、自社に適した方法を取り入れましょう。
ECサイト構築をご検討の際は、実績豊富なYAZに問い合わせください。本記事を参考にしたうえで、ECサイト構築時の課題解決に役立ててみてください。

この記事を書いた人

ITコラム部YAZ

YAZ ITコラム部

IT業界や専門用語について、分かりやすさを意識して情報発信しています!
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