IoTプラットフォームのイメージ
ITコラム 初級編

IoTプラットフォームの基礎知識|種類と主な機能、選ぶ際のポイント

2021年12月3日

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IT技術の進歩により、現在はPCやスマートフォンだけではなくさまざまな機器でのインターネット通信が可能になっています。多様な「モノ」をインターネットに接続するIoTは、人の生活を豊かにする技術として、また、ビジネスのさまざまな問題を解決する技術として注目されている状況です。
IoTが現在のように普及した背景には、IoTプラットフォームの存在があります。こちらでは、IoTプラットフォームの基礎知識や機能、選ぶ上でのポイントについて解説します。

IoTプラットフォームの基礎知識

まずはIoTプラットフォームの基礎知識をおさえておきましょう。IoTプラットフォームの概要や種類についてご紹介します。

IoTとは?

IoTとは、コンピュータも含めた多様なものをインターネットに接続し、利便性を向上させることです。「Internet of Things」の略称であり、日本語では「モノのインターネット」と訳されます。接続する機器をIoTデバイスと呼びます。多くの製造業で接続可能な製品が作られており、自動車、照明、空調機器、スピーカー、冷蔵庫、ウェアラブルデバイスなどが代表的です。

IoTプラットフォームとは?

IoTプラットフォームとは、IoTサービスをユーザーに提供するための基盤システムのことです。クラウドサービス、データベース、ソフトウェアなどの必要な機能が備えられているシステムです。企業が活用することで、IoTサービスの効率的な開発や運用を推進できます。

IoTプラットフォームの種類

  • 水平型

水平型は汎用性が高いIoTプラットフォームです。カバーする範囲が広いので、多様な業種や目的で利用できます。ただし、機能面では制限が生じる場合があります。水平・業種フルカバレッジ型と呼ぶことがあります。

  • 垂直型

垂直型は特定の業界に特化しているIoTプラットフォームです。垂直・機能フルカバレッジ型、垂直・アプリ提供型、垂直・基本機能提供型の3種に分類できます。垂直・機能フルカバレッジ型は、特定業界に求められる機能をまんべんなくカバーしている一方で汎用性が低く、業務が大きく変わる場合はシステムの入れ替えが求められます。垂直・アプリ提供型は垂直・機能フルカバレッジ型から開発・導入サポートを除外し、サービスのみを利用する形態です。垂直・基本機能提供型は機能が絞られており、特定の機能を利用したい場合やコストを抑えたい場合に利用されます。

  • オールインワン型

オールインワン型は水平型と垂直型の特徴を両方兼ね備えているIoTプラットフォームです。近年はあらゆる業界で活用できるオールインワン型IoTプラットフォームの開発がベンダー間で加速しています。

IoTプラットフォームの主な機能

IoTプラットフォームでは具体的にどのような機能を利用できるのでしょう。主な機能をご紹介します。

IoTデバイスの接続・管理

多くのIoTデバイスには、さまざまなIoTデバイスを相互に接続し、一括管理する機能が搭載されています。カメラ、マイク、センサーなど、さまざまなデバイスを接続可能です。クラウド上で、各デバイスの管理やメンテナンスを行えます。

セキュリティの確保

ネットワーク上の通信を安全に保護する機能を利用することで、セキュリティの確保ができます。デバイスとプラットフォームの間で多くのデータを取り扱うことになるため、セキュリティ対策は重要です。不正アクセス、不正操作、情報漏えい、ウイルス感染などのリスクを、セキュリティ機能を利用することで回避します。

データの収集・保管

各デバイスからデータを取得・収集し、保管しておくことができます。クラウド上のストレージを利用することで、膨大なデータを蓄積可能です。外部のシステムと連携してデータを活用するためのAPIを備えているシステムもあります。

データの可視化・分析

収集したデータを表示できます。リアルタイムでも表示できるほか、見やすい形に表示形式を変えることも可能です。また、収集したデータをAIやBIツールなどで詳細に分析処理し、解析結果をビジネスに活用することができます。

IoT機器のリモート制御

電源のON/OFF、ログの確認といったデバイスの制御をIoTプラットフォームから行えます。PCやスマートフォンなどから操作することも可能です。現場に足を運ぶ必要がなくなることから移動コストを削減できるほか、危険な場所のデバイスを操作することもできます。

ソフトウェアの自動アップデート

IoTプラットフォームからデバイスのソフトウェアを自動でアップデートできます。バグ修正や機能追加といった対応をユーザーの操作なしで速やかに実施可能です。

IoT機器の監視・アラート検知

IoT機器の稼働状況はリアルタイムで監視できます。エラーや不具合を検知して自動でアラートを出すことも可能です。

IoTプラットフォームを選ぶ際のポイント

さまざまなIoTプラットフォームが提供されており、それぞれに特徴がありますが基本的な選び方は決まっています。プラットフォームを選ぶ際のポイントをご紹介しましょう。

接続性(コネクティビティ)

IoTデバイスとの接続を簡単に、安定して実現できるプラットフォームが理想的です。多様な通信プロトコルに対応できるか確認しておくと良いでしょう。主要な接続方式として、有線LAN、無線LAN、モバイルデータ通信、Bluetoothなどが挙げられます。

システムの拡張性

接続するIoTデバイスやデータ量の増加などに幅広く対応できると安心です。接続するIoTデバイスの種類や数が増えても、適切な動作環境を維持できるかを確認しておく必要があります。サービスによっては、数千~数万規模の機器が接続されるため、将来的な拡張を想定してプラットフォームを選ぶことは大切です。

セキュリティの強度

IoTプラットフォームはサイバー攻撃のターゲットになるおそれがあります。IoTデバイスは消費者の生活空間に設置されるケースが多く、広範囲への被害が懸念されるため、セキュリティへの強度に注目してプラットフォームを選ぶことは重要です。IoTデバイスはディスプレイのない機器も多く、利用者が問題に気づきにくいケースがあります。
認証技術、暗号化、脅威検知などの技術で、セキュアな通信を確保する必要があります。セキュアとは、外部からの攻撃に対して適切なセキュリティ対策が施されている状態のことです。

自社にマッチしたIoTプラットフォームを選択しよう

IoTプラットフォームについてご紹介しました。遠隔でデバイスを制御できることから、働き方改革や業務効率化のソリューションとなります。また、収集データの分析結果は自社のビジネスを最大化・最適化するための貴重な情報として活用できるでしょう。
IoTプラットフォームには今回ご紹介したような種類があり、さらに選び方のポイントもあるため、慎重に自社にマッチしたものを選択してください。システム開発を依頼する際は、IoTプラットフォームなどのインフラ構築が得意なYAZへお気軽ご相談ください。

この記事を書いた人

ITコラム部YAZ

YAZ ITコラム部

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